1.前書き
現在、SEL1670Zを中心に運用しているのですが、一見16㎜でも十分を思いつつ、登山していると急登区間等では16㎜でも広角側が不足しているなぁと実感することが多々ありました。
更に大広角側・・となると選択肢がミラーレスカメラの黎明期に発売された純正のSEL1018しかなかったため、悶々としていましたが、ここにきてTamronさんからドンピシャなレンズが発売されましたので、飛びついてみました。
広角側は11㎜と純正よりは1㎜、画角にして約105°と109°と4°程狭いのですが、SEL1670Zが83°ですので、それと比べれば大差ない・・かな?
F値は2.8、最小撮影距離が純正が25㎝に対してこちらは15㎝と小さいので、”寄れる”という意味ではこちらの方が分がありそうです。
ということで、まずは外に出て練習する前に、この最小撮影距離について遊んでみます。
2.その他過去の練習記事
3.外観
まずは外観です。細かい部分は他のレビューに任せて、単純に大きさのイメージを並べてみます。まずはフードを付けて最短の状態で並べたものです。
上から SEL1670Z、Di III-A RXD、SEL70350Gです。
長さはDi III-A RXDがSEL1670Zよりもわずかに長い感じです。ちなみに太さはというと、フィルター径は実はSEL70350Gと同じφ67㎜ということもあって、SEL1670Zと比べると太いなぁ~とは感じます。
フードを片付けてみました。短焦点距離故、フードの長さはDi III-A RXDが一番短かったということもあって、こうなるとSEL1670Zとの長さの差はハッキリ出てきます。
引っ張り出してみました。実はこれを「望遠端」と言わないのは理由がありまして、Di III-A RXD、筒を出した方が「広角端」、引っ込めた方が「望遠端」という仕様なんです。なので、リングの部分の焦点距離の数字を見てわかる通り、他の2本とは逆なんです。
で、本題の長さについてですが、望遠倍率が2倍も行かない分、Di III-A RXDが最短となります。
4.最短撮影距離で撮影してみる。
では、各レンズを使って最短焦点距離で撮影した場合の見え方について並べていきましょう。方法は単純にとある画面をもとにカメラがオートで捕まえられた最短距離で撮影したものです(なので画質については棚に上げておいてください)。
①SEL1670Z(最短焦点距離0.35m、最大撮影倍率0.23倍)
@16㎜
@70㎜
②SEL70350G(最短焦点距離1.1m-1.5m、最大撮影倍率0.23倍)
@70㎜
@350㎜
思いのほかSEI1670Zと大差ない画角なのかな・・・というか、今更ながらここで「撮影倍率」の意味を知ることに。
③SIGMA30mm F1.4 DC DN(最短撮影距離30㎝、最大撮影倍率1:7→0.14倍)
折角なので、こちらのレンズも参考までに。比較的望遠端寄りな感じです。
④TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD
最短撮影距離は
望遠端(20㎜)が0.24m(撮影倍率1:7.6→0.13倍)、
広角側(11㎜)が0.15m(撮影倍率1:4→0.25倍)となっています。
まずは望遠端の20㎜。
お待ちかね(?)広角端の11㎜です。
左からSEL1670Z望遠端、SEL70350Zの望遠端、Di III-A RXDの広角端で並べるとこんな感じ。各々の最大撮影倍率が0.23倍、0.23倍、0.25倍なのでそういう意味では似たような結果になっていて当然なんですね・・。
・・・と単純にこれだけ見ると、インパクトが余りないように見えるのですが、
実は11㎜撮影時、モニターの画面とレンズのフードをくっつけてもAFは食いついていました。なので、フードを外して更に近けたと。ということは、かなりの近接撮影ができるのは分かったものの、今度は被写体に近づきすぎてかえって光源で苦労しそうな気も・・。
⑤色々比較してみる。
この撮影練習をして初めて「最大撮影倍率」の意味を知ったわけですが(おい)、それを踏まえて改めて比較すると・・・
項目 | Di III-A RXD | SEL1018 | SEL1670Z |
---|---|---|---|
画角 | 105°-71° | 109°-76° | 83°-23° |
最小撮影距離 | 0.15m(広角) | 0.25m | 0.35m |
最大撮影倍率 | 1:4(0.25倍) | 0.1倍 | 0.23倍 |
F値 | 2.8通し | 4通し | 4通し |
重量 | 335g | 223g | 308g |
レンズ内手ブレ | × | 〇 | 〇 |
となります。メーカーは0.25倍という撮影倍率から「ワイドマクロ」をアピールしていますが、0.1倍であるSEL1018と比較すると、それも十二分な特徴ということになるのでしょう。元々広大な面積を切り取るのが超広角の役割であれば、0.1倍でも十分なんでしょうけど。
ですので、雄大な景色と近接撮影の両極な写真が撮れるレンズということみたいですので、それを踏まえて外に出てみますかな。
⑥最大撮影倍率になるのって広角側?望遠側?
ここで混乱したのが、最大撮影倍率が「広角側」なのか「望遠側」なのかということ。
SEL1670Z、SEL70350Gの、Di III-A RXDの広角側で並べると(16㎜,70㎜,11㎜)
望遠側で並べると(70㎜、350㎜、20㎜)
と、純正品は広角→望遠で大きくなっているのに対し、Di III-A RXDは望遠→広角で大きくなっています。レンズを筒から出せば像が大きくなり、引っ込めれば小さくなるのは共通っぽいのですが、焦点距離の数字の増減は逆になるので、レンズ交換しながら撮影するとワケが分からなくなりそうですw